Product details
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タイトル : 『Lyra and the Beltain Ritual』
CD仕様 : オーディオCD1枚/全11トラック
ジャンル : Blugrass, Gypsy Swing, Celtic, Nordicfolk and Neo-Medieval music
レーベル : Rigël Theatre
発売日 : 2025年4月27日
イベント直販価格 : 1500円
Gallary & Video
Track Listings
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1. Les lumières d’antan / Rigël Theatre
2. Lyra and the Beltain Ritual / Rigël Theatre feat. Tamako Kinoshita
3. Melusine / Arimura Kyogo feat. Miwele
4. La Saint Lórien / Rigël Theatre feat. Miwele
5. Na-Di-Lah / Rigël Theatre feat. Miwele
6. Zauvijek Tvoj / Rigël Theatre
7. Velum Mundi Submersi / Arimura Kyogo
8. Beltains Eldar / Rigël Theatre
9. Lyra and the Embers of Beltain / Rigël Theatre
10. Melusine -Melodia Submare- / Arimura Kyogo feat. Shibuki Mayu
11. Les Échos de la Saint Lórien / Rigël Theatre
Lyra and the Beltain Ritual
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It was a dark and windy day...
The ghosts of old memories
that sank in the lake appeared before the traveling fairies.
He said, "On May night, by lantern lights, we can return to the stars.
Please guide our souls to our glorious old hometown."
I'll go, I'll fly away
To that star with the light of the spirits
I'll go, so I'll fly away
Beyond the memories of the stars...
As free as the winds
Blowing down the rivers
Flying like migratory birds
Passing through the seas
A fairy town, like building blocks,
It's like a grave marker for our memories.
The fairy lanterns rise.
Oh, it's like a starry sky.
I'll go, I'll fly away
To that star with the light of the spirits
I'll go, so I'll fly away
Beyond the memories of the stars...
On the night of Beltane, the fairies sing and dance...
Hold the totem high to guide the grieving ancient spirits to heaven.
We will fly to the glorious gates of sun and moon.
Regret and sorrow now lie beneath the dark waters,
If we could return to the stars, maybe everyone would finally rest.
(Guide our souls to our glorious old town.)
so I'll go, I'll fly away
(so I'll go, I'll fly...)
Farewell, my old home and such beautiful memories
I'll go, so I'll fly away
Beyond the memories of the stars...

Story
プロローグ
エルンシェルの古びた天文台――その記憶に浮かび上がった場所のひとつが、「サンロリアン」でした。
それは銀河の中心部に位置する、たいへん歴史の古い星のひとつ。
かつてこの地には、周辺の星々を支配した巨大な銀河帝国――ロリエンが栄えていました。
ロリエンは、荒廃した星から移住してきた人々によって築かれた世界。
長い年月をかけて、彼らはこの星に再び文明を築き、星々のきらめく空を見上げ、進出していきました。
けれども、その挑戦は幾度となく失敗を繰り返し、次第に彼らは活力を失っていきました。
やがて文明は静かに崩れ、彼ら自身も、静寂と忘却という暗い海の底へと沈んでいったのです。
それから数世紀の時が流れ、かつての遺構には、小さな羽をもつ妖精たちが住みつきました。
妖精たちは水没した旧時代の建物の上に、まるで積み木を重ねるように新たな街を築き上げ、新しい文明を生み出したのです。
そして彼らは、かつて記されたこの星の名を受け継ぎ、いま再び「サンロリアン」と呼ぶようになりました。

サンロリアンの妖精たち
――観測者の少女リーラと妖精のアルドラは、エルンシェルに残された記憶の謎を解き明かすため、いまでは辺境の星となったこの水の星を訪れました。
銀河の中心部に近いこの地では、昼間でも空に明るい星々が輝いています。
珍しい旅人を見つけて、サンロリアンの妖精たちは大はしゃぎで駆け寄ってきました。
「おやおや……旅の人たちだみゅ!なんともぎこちない子たちだみゅね」
「羽がやわらかいみゅ……」(リーラの翼にうずくまりながら)
「でも大丈夫、すぐ慣れるみゅ。ここは歌と踊りとワインの楽園みゅ!」
「さあ、一緒に踊るみゅ! みゅっみゅみゅ~!」
「あはは……えーっと……」
「あの……」
尊大で人懐っこいサンロリアンの妖精たちに、タジタジのふたりでした。
ベルテイン祭とメリュジーヌ
リーラとアルドラは、この星に残された“記憶”にまつわる伝承を辿る中で、メリュジーヌの伝説を耳にしました。
メリュジーヌはサンロリアンの水底に棲む精霊、あるいは亡霊であり、旧時代の人々の記憶を映し出すと言い伝えられています。
――かつて、さびだらけの線路を自走トロッコで旅していた妖精たちがいました。
陽気で、陽気すぎてすっかり力が抜けてしまいそうな青空が広がるサンロリアンには珍しく、どんよりと暗く、雨と風の強い日。
そのとき、水に沈んだ記憶の亡霊が青白く輝きながら妖精たちの前に現れ、こう語りました。
「五月の夜、ランタンの灯りを星空へと捧げてほしい……。その光と共に、私たちは故郷の星へと帰ることができます。
どうか……私たちの魂を、懐かしき故郷へ導いてはくれませんか……」
「みゅ! いいよみゅ!」
「それならお祭りにするみゅ! お祭り大好きみゅ~!」
――こうして、五月の夜にランタンが灯され、無数の灯篭が空へ舞い上がり、たき火を囲んで歌い踊るサンロリアンのベルテイン祭が始まったのです。
「……なんか雑ですよね」
アルドラが怪訝そうに言いました。
「あはは……でも、きっと亡霊さんたちは喜んでるよ。ねえ、アルドラ。お祭り、見ていこう?」
「しょうがないですね……」
「えへへ」
ふたりはいつものようにアイスクリームを片手に、サンロリアンの街をそぞろ歩いていました。
ダーク・レグルス様の襲撃
リーラたちは、サンロリアンの街並みが一望できるサンノルヴァン通りの公園でひと休みし、海風に吹かれながら、うとうととしていました。
アコーディオンの音色が、街のあちこちから流れてきます。 「Na-Di-Lah、Na-Di-Lah♪」と、楽しげな妖精たちの合唱も重なりました。
どこか懐かしいような、不思議な響き――リーラはそう思いました。
すると突然、爆発音とともに、可愛らしい笑い声が響き渡りました。
「あ……」
「はあ……またですか……」
そこに現れたのはふたりの少女と―体の抹殺絶滅マシーン(?)、アシェンワールドからの刺客・ダーク・レグルス様一味。
「ふっふっふ! 見つけたのだ、重要凶悪指名手配犯! リーラとアルドラ! 観念するのだ!」
「観念スルノダー!」
「リーラちゃん、こんにちは……」
「あ……こ、こんにちは……」
相変わらず、ミラだけは穏やかな空気をまとって接してきました。
けれどこの子――見た目に反して、リーラやアルドラを遥かに凌ぐ魔力の持ち主。 油断すれば、たちまち「ナデナデ魔」の本性が牙を剥くのです。
「今日こそお前たちを捕えて、グロスター・プライムに連行するのだ!」
「いやです」
「そうかそうか、聞き分けがいいのだ……なにをぅ!?」
「リーラ、行きましょう!」
「あ……待って!」
「あ、逃げたのだ! 追うのだー!」
――サンロリアンの入り組んだ街で、かくれんぼ……ならぬ追跡劇が始まりました。

水路を飛びながら、リーラが言いました。
「ねえ、どうしてあの子たちは私たちを追ってるのかな?」
「アシェンワールドはエルンシェルと敵対しています……。きっと私たちを捕えて知識を奪うつもりです。もしエルンシェルへのゲートの開き方を知られたら、大変なことになります」
「でも……そんなに悪いことを考えてるようには見えないけどな……」
「ええ……でも、なーんか面倒になりそうですし」
「えへへ……そうだね」
――リーラたちは、サンロリアンの街を一周して逃げ回り、再びサンノルヴァンの路地裏へと戻ってきました。
「うにゅにゅにゅ……また隠れたのだ。もう面倒くさーいのだ! いーみゅちゃん、とっておきのアレをやるのだ!」
「了解シマシタ!」
「あ……れーちゃん、ダメ……!」
ベルテイン祭の巫女
EMÜ42の破壊攻撃によって、マダム・ジョゼフィーヌ氏のアパートが崩壊。
リーラたちとレグルス一味は、怒った妖精たちに捕らえられ、ジェラール市長の執務室に連行されていました。
主犯のEMÜ42は縄でぐるぐる巻きにされ、「J'ai fait ça(私がやりました)」と書かれた紙が雑に貼りつけられて横倒しに。
「ごめんなさいなのだ……」
「れーちゃん、よしよし……」(ナデナデしながら)
「もう……なぜ私たちまで……」
「そうだね……でも、隠れやすそうって思ったのは私たちだし……」
窓の外からは、やじうまの妖精たちがのぞき込んでいます。
「みゅ~追放するみゅ!」
「マダムの家を作り直させるみゅ!」
「うちで働かせるみゅ!」
「羽さわりたいみゅ……」
「みゅぅみゅぅ~!」
「……コホン」
市長がわざとらしい咳をひとつ。
「君らの処分を決めた……」
「ひぇぇ……命だけは勘弁なのだ……」
「君たちには、ベルテイン祭の巫女をやってもらうことになったのじゃ」
「ベルテイン祭の巫女?」
「そうじゃ。巫女は焚き火の前で星のトーテムを掲げ、メリュジーヌから伝えられた神楽を舞い、古代人の魂が故郷へ還れるよう祈祷するのじゃ。
しかし……最近の若い者はどうも悪ふざけばかりで、自撮りを始めたり、花火を打ち上げたり、火炎放射器を持ち出したり……。
なかなか神楽がきちんと執り行われぬのじゃ」
「わしらは、もう一度美しい伝統的なメリュジーヌ神楽を復活させたいのじゃ……」
「旅の人たちよ。そなたらには、とても美しい羽がある。
ベルテイン祭の夜を華やかに彩り、きっと古代人の魂も喜ぶじゃろう……」
――こうしてリーラたちは、(街を壊してしまったお詫びも込めて)ベルテイン祭の巫女として、お祭りに参加することになったのでした。
星のトーテム

――ベルテイン祭の準備が着々と進む中、神具である星のトーテムを妖精たちが誤って水路に落としてしまう事件が発生しました。
「みゅぅぅぅ……やっちゃったみゅ……」
ふたたびジェラール市長の執務室、ベルテイン祭の関係者一同が呼び集められました。
「だからあれほど、トーテムは触るなって言ったみゅ!」 「うるさいみゅ、おまえが持ち上げたのが悪いみゅ!」 「ちがうみゅ、そっちが急に回したみゅ!」 「回すなって言ったみゅ!」 「言ってないみゅ!」
いつものように、責任のなすりつけ合いが始まりました。
「ご迷惑おかけしてすみません……」
リーラがぺこりと頭を下げると、市長は首を振りました。
「いや、そなたらのせいではない。だが……このままでは祭りが成り立たぬ」
「あの……私たちが探しに行きます。魔法の球体を作れば、水の中を歩くことができます」
「……なんと! しかし、水路はとても……とても深いのじゃ。
サンロリアンは旧時代の遺構の上に何世代にもわたって積み重ねられた街。遺構は何層も......何層も折り重なっておる。
そう......水路の底はまるで巨大な迷宮なのじゃ。とても危険じゃぞ?」
「大丈夫です。任せてください」
「おぉ……ありがとう、旅の人たちよ。
水没した街には、もしかするとメリュジーヌがいるかもしれぬ。
危険はないが……古い記憶を見せられるかもしれぬぞ……」
――リーラとアルドラは、妖精たちが星のトーテムを落とした現場にやって来ました。
リーラが杖をひとふりすると、周囲を包み込む魔法の球体が現れます。
そこへ、またしてもレグルスたちが現れました。
「こらー! 逃げるなーなのだ!」
「……もしかして、あなたたちも来るんですか?」
「なっ……お前たちが逃げないように、見張るのだ!」
「れーちゃんも一緒に行きたいって......」
ミラもまた、杖をひとふりして魔法の球体を作り出しました。
「ありがとう……それじゃあ、一緒に行こうか」
――リーラたちは、サンロリアンの水路の底へと続く階段を、ゆっくりと降りていきました。
サンロリアンの哀しき記憶を辿る、静かな旅の始まりでした。

Credit
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Director........Rigël Theatre
- Main Staff -
Music & Lyrics: Rigël Theatre
Music: Arimura Kyogo
Vo. & Lyrics: Miwele
- Album Art & Charactor Design -
Yabisara
Shiitake
- Vocal -
Tamako Kinoshita
- Chromatic Harmonica -
Shibuki Mayu