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■ リヴェットとノルスンドの夏至祭

 美しい入り江の都ノルスンドに暖かい夏が訪れました。
太陽が一日中沈まない不思議な白夜の空のもと、リヴェットたちは再びこの街を訪れて、妖精たちに誘われて夏至祭のお祭りに参加します。
 
 広場には白樺の大きなメイポールが立てられ、色とりどりの花々で溢れ、可愛らしい花冠をかぶった女の子や妖精達が輪になって楽しく踊っていました。
美味しそうなごちそうの香りに誘われたアヴリルはまたもやはぐれてしまい、花々で飾られたノルスンドの街をぼんやりとしながら彷徨っていました。
公園の花壇から空を見上げると、太陽が虹の環を描いて輝いています。

「アヴリルちゃん!こっちだよ!」
花冠を手にしたリヴェットが立っていました。
「もう、だめだよはぐれちゃ......。えへへ、きっとここにいるって思った」
リヴェットが嬉しそうに駆け寄ってきました。
「綺麗な太陽の環だね。。。」
「うん」
「はいこれ、アヴリルちゃんのだよ」
それは赤と白の花で編まれた可愛らしい花冠でした。
「えへへ......かぶせてあげるね」
「むー」
「どうしたの? おなかすいてるの?」
アルタイル達がやって来ました。
「見つけたのだ!はぐれちゃダメなのだとあれほど言ったのだ.....」
「むぅー!」
アヴリルは怒りながらアルタイルにかぶりつきました。
「ぎゃーやめるのだ!ぼくは食べものじゃないのだ!」
「アヴリルちゃん、妖精さん達がご馳走を用意して待ってるよ。みんなで一緒に行こう」
アヴリルは嬉しそうに頷いてリヴェットの手を握りました。
「みゅぅ!」
アトリアがリヴェットを取られまいと必死に追いかけて行きました。

「うぅ...また僕だけがこんな目にあうのだ...」